(山田 珠世:中国・上海在住コラムニスト)
中国・上海市で3月25日、新型コロナウイルスの市中感染者がついに2269人となった。数週間前に1桁だった市中感染者数が、気づけば1000人になり、23日から2日で2倍となっている。
上海市は3月15日の会見で「ロックダウン(都市封鎖)はしない」と表明したが、翌日からエリアごとに48時間封鎖し、住民全員に対し1日1回、計2回のPCRスクリーニング検査を行っている。無症状感染者を洗い出すこのPCRスクリーニング検査によって、日々、新たな感染者が雪だるま式に増えている。
昨年(2021年)末には西安が、先ごろには深圳がそれぞれ感染者数の拡大を受けてロックダウンに踏み切っている。一方、上海市はエリアごとに封鎖して全住民へのPCRスクリーニング検査を実施するという、異例の措置を採った。
これは、できる限り経済活動に影響を与えず、コストを最小限に抑える防疫政策だとされる。もちろん、中国が掲げる「ゼロコロナ」政策を踏襲するものだ。