スイーツの進化と歴史(世界)

ひとつぶのマスカット

 旬果瞬菓 共楽堂(https://www.kyorakudo.co.jp)の芝伐(しばきり)です。

 前回(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/69177)に引き続き、「世界のスイーツ(菓子)の歴史」についてご紹介させていただきます。

中世のお菓子

 ゲルマン民族の大移動によりローマ帝国が崩壊すると、ヨーロッパ世界が次第に形成されていきます。

 その過程で、キリスト教が力を持つようになると、「ガレット」や「ゴーフル」と言った祭事用のお菓子が多く生まれてきました。

 また、この時代には、材料面と製造面で大きな変化がありました。

 材料面における変化とは、ずばり「砂糖」です。

 ローマ時代にも確かに砂糖はヨーロッパ世界に入っていましたが、地中海貿易という限られた範囲でしか流通していなかったのです。

 それが11~13世紀の十字軍遠征で砂糖はヨーロッパ各地に伝播し、砂糖との接触・普及でスイーツの世界も少しずつ豊かになっていきました。

 また、製造面では貴族や教会・修道院などが独占していたオーブンの使用がパン屋や菓子屋にも認められました。

 加えて、オーブンの使用料として蜂蜜、鶏卵、バター、チーズ、小麦粉が支払われたことで一気にオーブンを利用した焼き菓子が発展していくという相乗効果も生まれます。