取材・文=髙岡麻彩
1830年から続く老舗、朝日酒造株式会社(本社:新潟県長岡市、取締役社長:細田 康)は「久保田」ブランドとしては初となるにごり酒の新商品「久保田 純米吟醸にごり」を2022年2月21日(月)より春限定で販売をスタートした。早速試飲した唎酒師、髙岡 麻彩は、にごり酒は日本酒ファン向け、というイメージを覆す、さわやかな春を感じる新しい酒だという。
すっきり飲みやすい「にごり酒」を目指して
にごり酒は、11月頃から出荷される冬の定番の日本酒で、コアな日本酒ユーザーから支持されているカテゴリ。一般的には豊潤で濃厚な味わいが特徴だが、にごり酒を苦手とする理由のひとつが、どろっとした口当たりという声もあり、「久保田 純米吟醸にごり」は、すっきりで口当たり滑らかな飲みやすいにごり酒を目指して造ったという。
一昨年より、ゆずリキュール、スパークリングと新しい日本酒を造り続けている朝日酒造。今回、試飲会にご招待いただいたので、そのレポートも交えて紹介したい。
長岡の名門「朝日酒造」
朝日酒造は水田と里山広がる新潟県長岡市朝日で1830年に創業。それから190年余り、創業地の地内を流れる清涼な地下水脈の軟水と地域農家とともに研究を重ねながら育てている良質な酒米、そして越後杜氏から継承する知恵と基礎研究による技術革新で、新潟産にこだわった真摯な酒造りを続けている。
品質を最優先に、60%以上を超える契約栽培で農家の方と協力してお米造りからこだわる。美味しいお酒を造るためにはどのようにお米を作れば良いかを考え抜き、原料米に力を入れている。
2月には、渋谷PARCOの地下1階の「未来日本酒店/KUBOTA SAKE BAR」で、バレンタインに合わせて、日本酒カクテルとノンアルカクテルを提供。椿山荘で日本酒とスイーツのアフタヌーンティーなど、新しい企画を進めている。「久保田」の日本酒の消費者調査認知率が9割に上る中、若い方や初めて日本酒に触れる方に、日本酒の新しい楽しみ方、感じ方を提案していくべく取り組みを進めているという。