ロシア軍の司令官らは、無数のスマートフォンによって生み出された証拠を使い、戦争犯罪で訴追されることを理解すべきだ。

 プーチン氏の取り巻きもそうだ。

 プーチン氏の命令を実行する人は、クレプトクラシー(泥棒国家)で私腹を肥やすために加わったのであって、オランダ・ハーグの国際刑事裁判所行きの切符を求めたわけではない。

 西側はこうした取り巻きに対し、もしロシア大統領を権力の座から降ろしたら、ロシアが新たなスタートを切れると慎重に確約することができる。

 どれほど胸が悪くなるとしても、西側はプーチン氏にひっそりと引退する道を与えるべきだ。同氏の恐怖政治から逃れる人たちに避難場所を与えるように、だ。

プーチンもロシアも勝てない戦争

 プーチン氏がやったことの恐怖の実感がわいてくると、宮廷革命(側近によるクーデター)が現実味を帯びてくるかもしれない。

 経済は惨事に直面している。ロシア軍の犠牲者数も増えている。ロシア人のウクライナの親戚が、たった一人の男を満足させるために仕掛けられた戦争で虐殺されている。

 今でさえ、勇敢なロシア人たちは自国を汚す犯罪に抗議するために街頭に繰り出している。

 深い意味において、プーチン氏の無用な戦争は、本人もロシアも勝つことができない戦いだ。