ウクライナの都市の廃墟から苦しみの画像が伝わってくるに従い、例えば飛行禁止区域の設定など、何かするようNATOに求める声が上がっている。

 しかし、飛行禁止区域を遂行するには、ロシアの航空機を撃ち落とし、ロシアの防空システムを破壊する必要がある。

 NATOはむしろ、ロシアを攻撃することとウクライナを支援することの間に明確な線を引きながら、加盟国の防衛に疑いの余地を残さないようにする必要がある。

 これがエスカレーションに対する最善のブレーキになる。

経済制裁以外の道筋

 では、破壊を招くことなくプーチン氏を抑止するために、いったい何ができるのか。どれくらい長く戦うかを決められるのは、ゼレンスキー氏とその側近だけだ。

 だが、もしプーチン氏が大量殺戮を引き起こしたら、西側は一段と圧力を強められる。

 石油・ガス禁輸措置に踏み切れば、ロシア経済はさらに荒廃するだろう。

 ウクライナの支援者はより優れた武器をもっと多く送ることができる。NATOは前線に立つ加盟国に部隊を増派できる。

 外交も重要だ。

 先日ベラルーシで開かれた和平交渉では、ロシアはまだ言語道断な要求を掲げたが、消耗戦を回避する助けになるため、交渉は継続すべきだ。

 欧州連合(EU)は、すでに100万人を超えたウクライナ難民を受け入れることで、賢明な対応を取った。

 避難先があれば、ウクライナの交渉担当者の切り札が強くなる。EU加盟への道筋を用意することも同様だ。

 中国とインドは今のところ、プーチン氏を非難することを拒んでいる。同氏がさらにエスカレートすれば、両国も警戒心を強め、説き伏せようとする気になるかもしれない。

 そして、ロシア国内でもやるべき仕事がある。