「遺憾」表明に何かしらの意味あるのか

 ロシアとの領土問題にしても、日本の戦略を根本から見直すべき時にきていることを、ロシアの強権主義が教えている。交渉で返ってくる領土かどうか。少なくともプーチンは、武力を行使して隣国を侵略する。国際秩序など通じない相手だ。それよりもあえて極端なことを言えば、北方四島が侵略された日本の領土だというのなら、ウクライナを見るまでもなく自衛権を行使したっていいはずだ。

 戦略の見直しは北朝鮮政策にもいえる。27日にも飛翔体を日本海に向けて発射した。今年に入って8回目だ。その度に、日本政府は「国連の安保理決議違反」「遺憾だ」「抗議する」を繰り返すだけ。なんの進展もない。そもそも「遺憾」とは「残念」ということであって、本来は憤りや抗議の意味は含まれない。日本語の使い方も曖昧のままだ。まして、ロシアのウクライナ侵攻による世界情勢を見て、北朝鮮がどういう行動に出るのか、懸念は拭えない。

 ひょっとしたら、中国が台湾どころか日本に侵攻してくることだってあるかもしれない。

 国連の安全保障常任理事国が侵略国家となる時代。ウクライナの地下鉄での迷子よろしく、先行きが見通せなくなってきた。