3月9日に予定されている韓国の大統領選挙は、外国メディアから「歴代最悪の選挙」との評価を頂戴しているが、投票日が近づくにつれ、各陣営同士のネガティブキャンペーンがさらにエスカレートし、最悪ぶりに拍車をかけている。そしてあろうことか、このネガティブキャンペーンに「現役大統領」が参戦してきたことで、今回の大統領選挙はまれに見る「泥沼選挙」の様相を呈し始めている。
誹謗中傷合戦が大統領選の実態
投票日を19日後に控えた18日、支持率の伸び悩みに焦っている与党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)候補は、一日中、共に民主党の本拠地とも言える全羅道地域を回る強行軍を敢行した。
さすがに党の地盤らしく、行く先々で多くの人が集まってきたが、それに気をよくしたのか、李候補の口からは次第にライバルである「国民の力」の尹錫悦(ユン・ソクヨル)候補に対する激しい言葉が乱れ飛んだ。
「検察王国が訪れようとしています! 検察が王になって国民を支配する時代が来るかもしれません!」
「呪術に国政が振り回されてもいいのですか! 李在明は呪術師ではなく、国民に進むべき道を聞きます!」
ここで「呪術師うんぬん」というのは、尹錫悦夫妻がシャーマンの助言に従って意思決定をしてきたという疑惑のことを指している。
さらに強烈だったのが、応援演説のために李氏とともに演壇に立った「共に民主党」議員たちだ。彼らの口からは李氏を上回る暴言が続いた。