また、22日には「大統領選で負ければ、無実の罪で監獄に行くことになりそうだ」と述べ物議をかもした。これは政権交代後の韓国でたびたび見られる「政治報復」に言及し、支持層の結集を訴えようとしたものであるが、民主党内部からも「守勢に回ったとする印象を与えかねない」「大庄洞事件(都市開発に絡む不正事件で李在明氏の関与が疑われている)を連想させる自滅的な発言だった」とする懸念の声が上がっている。

 このため李在明氏は24日メディアインタビューで「相手候補を確定的犯罪者だとし、大庄洞云々しながら『必ず監獄に送る』という表現もした。証拠と常識、法理によって判断すべきなのに特定人を犯罪者だと判断するのはおかしなこと」と釈明した。しかし、この釈明も守勢に回ったことを追認するようなものである。

「もうネガティブキャンペーンを行わない」

 李候補は26日、記者会見を開き「私、李在明は一切のネガティブ(キャンペーン)を行わない」と宣言、「野党も賛同してほしい」と訴えた。

 しかし、そのわずか1時間後には「リーダーが与えられた権限で酒を飲んで、自分の側近の面倒を見て、いつも怠け、他人に任せていて、宦官や内侍(ないし)がふざけてどこかでおかしなことをすれば国はどうなるのか。そんな国は滅ぶ」と発言。これは尹候補を批判する内容だと受け止められている。

 結局、李在明氏はネガティブキャンペーンから脱することは難しいようだ。

 加えて李在明氏には、城南市長時代、斗山建設に病院用地を業務施設、近隣生活施設に用途変更するのに便宜を与えた疑惑も24日までに浮上してきた。これらの疑惑を跳ね返して形勢を逆転するのはかなり難しそうだ。もちろんまともな政策論議が始まる気配も、今のところはない。