(山根 一眞:ノンフィクション作家)
【熱海市伊豆山地区の災害で被災した皆様にお見舞いを、亡くなられた方々のご冥福をお祈りしています。】
2021年7月3日午前10半頃に発生した熱海市伊豆山地域の大規模土石流では、死者9日、行方不明19人という大きな犠牲者が出た(7月10日現在)。その原因は、土地開発業者による不適切な盛り土にあることが明らかになりつつある。
災害発生からの1週間、ドローンによる現場映像や写真が多々伝えられてきたが、災害発生直後はどこで何が起こったのかはわからないままだった。一方、災害の発生直後からSNSの数人のグループが報道の速報写真や映像を手掛かりに「現場」や「原因」の意見交換を始めていた。その中で、「このあたりですかね」と、土石流の発生場所を「赤色立体地図」上に示した専門家がいた。千葉達朗さんだ。
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私は、その情報をもとに当該地をGoogle Earth(試験運用版)の地形図の仮想動画で見ていた。これは、上空から旋回撮影したかのような立体動画を見ることができる、新技術による地図だ。自治体やマスコミなどは現地の映像や写真を次々に公開し、盛り土の崩落後の様子、被害の状況は引き続き報じられている。