7月6日、アジア航測が朝日航洋と共同で撮影した伊豆山土石流発生源の斜め空中写真。(写真提供:アジア航測、<2021年7月6日撮影・熱海伊豆山地区の崩壊(1)>の一部を拡大)
土石流の発生から14時間後に「鳥瞰図 南より」とだけ書いて千葉達朗さんがSNSにアップした赤色立体地図。大規模に盛り土された場所(崩壊場所)にマークが入っていた。
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アジア航測は天候の回復を待ち7月6日に朝日航洋と共同で伊豆山土石流災害地域の一部の斜め空中写真撮影を実施し公開。「弊社技術が、現地の詳細解明ならびに二次災害の抑制に少しでもお役に立てば幸いです」と記している。赤色立体地図も公開した(次回に紹介)。(写真提供:アジア航測 <トップ写真の元画像>)
アジア航測が朝日航洋と共同で撮影した伊豆山土石流発生エリアの斜め空中写真。テレビで繰り返し放映された視聴者撮影の土石流が下る映像の現場が黄色丸印部分。下はその拡大。(写真提供:アジア航測 <上・写真番号8293、反乱状況・左岸から、下・その部分拡大>)
アジア航測が朝日航洋と共同で撮影した伊豆山土石流発生エリアの斜め空中写真。手前が山側でここから300m先が海岸だ。東海道新幹線の上り下り列車の線路下を土石流が通過したことがわかる。新幹線線路と並行している上の線路は東海道本線(上)。(下)は上の写真の拡大。もし土石流の勢いがより大きく通過中の在来線や新幹線列車を直撃していれば脱線転覆し多数の死傷者が出たおそれがあったことがうかがえる。このことはまったく報道されていないのだが。(写真提供:アジア航測 <写真番号8252、東海道新幹線・東海道本線の高架橋付近、下・その拡大図>)
千葉達朗さんは、2000年8月29日、午前5時47分からの7分間、東京都立三宅高等学校で三宅島の大規模噴火を20点撮影。命がけで撮った貴重な記録だ。私は千葉さんの掲示板で閲覧したのだが、今、写真に残されているExif情報を見たところ、千葉さんが撮影したデジカメは1999年発売のFinepix150(富士写真フイルム製、定価は6万2800円)だったと知った。総画素数は150万で今のスマホカメラの10分の1の解像度にすぎなかったが150万画素でもこれだけの記録が残せたのだ。(提供:千葉達朗「ある火山学者のひとりごと」)
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千葉さんの写真をもとに私がパノラマ合成した三宅島噴火のワイド写真。噴火被害を避けて三宅島を脱出した島民は4年5カ月間、島に戻ることができなかった。
21年目にして会うことができたアジア航測フェローの千葉達朗さん。技術士(応用理学部門)、測量士であり、日本大学文理学部非常勤講師、日本火山学会副会長もつとめる。「赤色立体地図」をデザインしたネクタイが渋い。(撮影:山根一眞)
スーツ姿の千葉さんの靴はナイキのSHOXというというスポーツシューズだった。踵の部分にハガネのコイルバネがあり、「歩行時の衝撃を和らげてくれるので膝の痛みが解消した」と言う。「現在は国内では入手できなくなったため、だいぶすり減っていますが」(千葉さん)。災害発生時に緊急で現場入りするための備えであるようだ。(撮影:山根一眞)