マスクなしの人出で混雑する屋内マーケット(筆者撮影)

 筆者は5月下旬~6月初にかけて、1年3か月ぶりにモスクワを訪問した。

 羽田発モスクワ行きの搭乗率1割程度の機内では本当にロシアに入国できるのか不安であったが、モスクワ空港では通常のパスポートコントロールの後に検疫当局の簡単なインタビューを受けただけで(出発前72時間以内のPCR検査証明書は必要)、あっけないほど簡単に入国できた。

 要した時間は平常時よりも短いくらいである。それ以上に驚いたのは、モスクワの街中の様子である。

 モスクワ市(人口1200万人)の新型コロナウイルス新規感染者数は2020年12月24日の8203人をピークに減少を続け、2021年4月18日には2252人までに減った。

 しかし5月に入ってからはロシアの大型連休による人出の増加などもあって概ね3000人台で推移していた。

 筆者が付き合いのある会社の多くは在宅勤務やマスク着用を続けていると聞いていたので、モスクワ市内もそれなりの緊張感があるかと思いきや、現実は予想を超えていた。

 路上を歩いている人でマスクを着用している人は皆無に等しい。マスク着用が義務付けられている地下鉄などの公共交通機関でも、車内で着用している人は2割程度であろうか。

 飲食店、商店の営業は平常時とほぼ変わらず、人気店では予約が取れないほどである。

 入り口にアルコール消毒や接触確認のQRコードがあっても使う人は皆無である(ただ、ロシア人は以前から食事の前に念入りに手を洗うことを習慣とする人は多い)。

 案の定、学校の卒業シーズン、夏休みを迎える5月末から6月初にかけて、モスクワの新規感染者数は急増している。