筆者は普段ロシアの経済・ビジネスニュースを中心にウオッチしているのだが、それだけでは味気ないので時々覗いているニュースソースがある。
それは「Russia Beyond(https://www.rbth.com/)」というロシア政府系のネットメディアである。
ロシア政府系のメディアと言えば、「Russia Today」はじめ政治色が強く、米国や西側諸国では名指しで批判されることが多い。
しかしRussia Beyondは内容がライフスタイル、カルチャー、トラベル、教育、ビジネス、歴史、サイエンス&テック、ロシア料理と娯楽色が強いのが特徴である。
Russia Beyondはロシアバブルの絶頂期であった2007年にロシア政府系新聞ロシスカヤ・ガゼータ(ロシア新聞)の一部門として創刊された。
当初は「Russia Beyond The Headline(RBTH)」という名前で、紙版の媒体も存在した。
この紙版は海外の大手紙の折り込みとして配布されたが、日本でも一時期「ロシアNOW」というタイトルで読売、毎日新聞に折り込まれていたのを覚えている読者もおられるだろう。それもRBTHの一環であった。
筆者は出版界の友人の誕生パーティーで初代RBTHの編集長を紹介された記憶がある。
ユダヤ系のベテラン・エディターであった同氏はメディアの力でロシアのイメージを一新したいと熱く語っていた。
もっとも、2008年リーマンショックをきっかけとするロシアバブルの崩壊とその後の景気低迷、2014年ウクライナ紛争をきっかけとしたロシア国内メディア再編の中でRBTHは存続が危うくなった。