今年のロシアの夏はコロナ禍とベラルーシに翻弄された夏であった。
ビジネスの面では今一つパッとしないなか、秋も深まる9月下旬になって久しぶりに面白いニュースが舞い込んできた。
それは9月22日に報じられた「ヤンデックスによる55億ドルでのティンコフバンク買収」報道である。
日本の読者にはヤンデックスもティンコフバンクも日本では聞きなじみのない名前であるが、どちらもロシアのインターネットビジネスと銀行業界を代表する会社である。
いや、ヨーロッパを代表する会社と言ってもよい。
ヤンデックスは今回の買収にかかるプレスリリースにおいて、自社を以下のように説明している。
「ヤンデックスは機械学習を応用した高機能製品とサービスを提供する企業である。我々の目標はオンラインとオフラインの両方の世界において消費者とビジネスをより良い方向に導くことである」
「1997年設立以来、我々は世界レベルの性能かつ地域に根差した検索および情報サービスを提供している」
「これに加えて、我々は先進的なオンデマンド移動サービス、ナビゲーションアプリ、その他モバイルアプリを世界中の消費者向けに提供している」
「ヤンデックスは世界中に34か所のオフィスを構え、2011年に米ナスダック市場に上場している」