写真はFSB本部銃撃事件翌日の現場周辺の夜景。雪は全くない。

 今年の冬は日本も含め世界中が暖冬傾向にあるという。ロシアも例外ではない。

 地方の動物園では冬眠中のヒグマが春と勘違いして冬眠から目覚めたと報じられている。首都モスクワの昨年12月の平均気温はなんと摂氏5.6度。帝政期まで遡る133年ぶりの暖冬となった。

 新年に雪がなく、1月7日のロシア正教のクリスマスにも雪がないというのはモスクワ市民にとっては拍子抜けの冬休みであったに違いない。

 さて、この冬ロシアで気温同様にヒートアップしているものがもう一つある。

 それはロシア株式市場である。2019年中のルーブル建てMOEX指数の上昇率は+28.6%で史上最高値を更新、ドル建てRTS指数は年率で+45.0%の大幅上昇となった。

 もっともRTS指数は2014年12月のルーブル大幅切り下げ(ほぼ半分)の影響で最高値の更新には至っていない(下のグラフ参照)。

 日頃、日本の報道に接しているとロシア経済は「原油価格の下落、経済制裁の影響で長期低迷している」はずなのだが、株式市場に関しては様相が全く異なっている。

 ロシア株式市場好況の背景は何であろうか?

ロシアMOEX指数の推移

(資料)Bloomberg

ロシア RTS指数の推移

(資料)Bloomberg