令和2年になったが、年明けは米国とイランの関係悪化で始まった。
イランの革命防衛隊の精鋭「コッズ部隊」を率いたスレイマニ司令官の殺害で緊張が一気に高まり、両国は具体的な攻撃目標を数えあげて準備ができていることをアピールしている。
イランは中国およびロシアと、昨年暮れ(12月27~30日)にオマーン湾からインド洋で初の合同軍事演習を行った。
イスラム教シーア派の武装組織の支持者らによる在イラク米国大使館の襲撃事案は演習が終了した翌31日に起き、大使館は放火・投石などで破壊される状況となった。
米国は司令官殺害という素早い行動で対処し、中露両国の外相はイランのザリフ外相と電話会談して米国を非難しイラン支持を鮮明にしたことなどから、襲撃事案は核問題で米国から制裁を受けるイランが中露の強固な後ろ盾を得た誇示であったのかもしれない。
日本周辺国の動向
こうした中で、北朝鮮は新兵器の開発に勤しみ、米国の出方を様子見している。
イランとも兵器開発で繋がりをもつと見られていることから、米国の国家戦力を分散させるように何らかの側面援助の行動をとるかもしれない。
台湾では総統選が数日後に迫った。
民進党が敗北すれば、香港の二の舞となり混乱が起き、日本の安全保障にとっても大きな問題となる。
中国は2隻目の空母を配備し宇宙兵器に注力するなど、海上および航空宇宙戦力の増大を図っている。
尖閣諸島接続水域での航行をほぼ連日行い、領海侵犯も頻繁である。また中国空軍機に対する緊急発進(スクランブル)は増大している。