トヨタの燃料電池システムの技術展示(愛知県豊田市のトヨタ会館にて筆者撮影)

(桃田 健史:自動車ジャーナリスト)

 政府は2021年6月2日に開催した「第11回 成長戦略会議」で成長戦略実行計画を提示した。6月中旬に閣議決定する。

 成長戦略会議は、日本経済の持続的な成長に向けて成長戦略を具体化を推進するため、2020(令和2)年10月から始まった有識者会議だ。前身は安倍政権下の2016年9月に発足し計42回開催された未来投資会議だ。

 これまで未来投資会議と成長戦略会議では、多様な産業や技術の領域に関して議論されてきた。なかでも、日本経済の屋台骨である自動車産業、交通関連産業を重点分野の1つとして捉え、いわゆる「CASE」(コネクテッド/自動運転/シェアリング/電動化)に関する施策について提言してきた。

2035年までに乗用車の新車をすべて電動化

 今回示された成長戦略実行計画では、経済産業省が2020年12月に公表した「グリーン成長戦略」(*)を踏まえて、自動車の電動化や水素の活用などについて数値目標を示した。

(*)「2050年カーボンニュートラル」(2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにすること)の実現に向けて14の分野で温室効果ガス排出削減の「実行計画」を策定した戦略。