広告キャッチコピー「いつかはクラウン」が懐かしい、歴代のトヨタ「クラウン」。 石川県小松市の日本自動車博物館にて筆者撮影

(桃田 健史:自動車ジャーナリスト)

「クラウン生産終了」報道の波紋

 日本人に馴染みの深いクルマがどんどん消えていく。正式発表はされていないが生産中止が噂されるクルマも次々と出てきている。

 例えばトヨタ。2020年11月11日、トヨタ地元の中日新聞が「『いつかはクラウン』転機、セダン終了調整」と報じ、大きな話題となった。これを自動車メディア各社が後追い。メディア各社はトヨタ販売店などへの取材を基に「クラウンのセダン廃止の可能性は低い」と見ているが、クラウン存続か否かについてトヨタ本社から正式なコメントは出ていない。

 日産に関しては、日本経済新聞が2021年6月13日、「日産の象徴・スカイライン、開発に幕」という記事を掲載した。スカイラインと同じプラットフォーム(車体)を用いる「フーガ」や「シーマ」も開発を中止するという報道だった。

 この件について日産本社広報部に問い合わせたところ、「弊社からの正式発表ではなく、将来の商品計画に関する内容となるため、回答は控える」とのことだった。