「おひとりさま患者」を選ぶ自己責任世代

――家族や友人などがいても、あえて「おひとりさま患者」でいることを選ぶ人も少なくないですよね。

片木 私が相談を受ける人たちは、卵巣がんの中心年齢より少し下の40、50代の世代で、自分だけで抱え込む人がすごく多い印象があります。社会環境や親世代との考え方の差などがあるのでしょう、四方八方に手を尽くして親に、子どもに、仕事に、家庭に・・・と頑張り過ぎている人、自己責任世代とでも言うのでしょうか。自分が傷つかない、周りを傷つけないためにがんばって、誰にも頼らずぎりぎりまでがんばるこの世代が、がんに罹患しやすい年齢に突入しているのでしょう。がんが進行しても治療をあきらめない人たちも、弱さをさらけだしてみっともないと思われたくない、傷つきたくないから「最期まで誇りをもって闘ったと思ってもらいたい」のかな・・・と感じることもあります。親しいからこそ迷惑をかけたくない、傷つけたくないと誰にも頼れなくなるのでしょうね。

――人気ドラマの『逃げるは恥だが役に立つ ガンバレ人類!新春スペシャル!!』で、独身50代の百合ちゃんが子宮体がんに罹患して病院で説明を受けるのに、同席してくれる人が誰もいないという状況が描かれていました。

片木 今は必ずしも家族や親族でなければ同席できないわけではありませんし、一緒に聞いてくれる人がいると心強いでしょう。自分がパニックになった時にサポートしてくれたり、一緒に内容をメモしてくれる存在がいれば、患者さんにも医療者にも助けになります。