2020年10月25日に死去したサムスン電子の李健熙前会長(撮影日不明、写真:Lee Jae-Won/アフロ)

「いったいいくらになるのか?」

 他人、特に富豪のおカネは好奇心の的なのか。韓国では、2021年4月末に期限を迎えるサムスングループの李健熙(イ・ゴンヒ)前会長の相続税に対する関心が高い。1兆円を超えるとの見方が多い。

 李健熙会長は、2020年10月25日に死去した。莫大な資産を残したが、それだけに相続方式にも関心が高い。

遺産の大半がグループ企業の株式

 妻と李在鎔(イ・ジェヨン=1968年生)サムスン電子副会長など3人の子供が遺産相続対象者になる。

 韓国も相続税の最高税率が50%と高い。さらに大企業の筆頭株主の資産に対する割増や自己申告控除などがある。

 どう計算しても相続税も巨額になることは間違いがない。

 李健熙氏が残した資産のうち、最も金額が多いのがサムスングループ企業の株式だ。特に圧倒的な比率を占めるのが株式時価総額が500兆ウォン(1円=11ウォン)に迫るサムスン電子株だ。

 李健熙氏が保有した株式の保有比率は以下の通りだ。

サムスン電子(普通株)  4.18%
サムスン電子(優先株)  0.08%
サムスン生命保険     20.76%
サムスン物産       2.88%
サムスンSDS       0.01%

 株式の価値は、李健熙氏が死去した日の前後2カ月の平均値で算出することになっている。合わせた株式の価値は19兆ウォンだ。これだけで相続税は11兆ウォンになる。

 さらに李健熙氏は、美術品や不動産を保有している。すでに鑑定を終えており、3兆ウォンほどの価値があるという。

 韓国メディアによると、合計した相続税は13兆ウォンを超えると見ている。