浦項工科大学(ウィキペディアより)

 サムスン、SK、LG…韓国には、こうした企業に優秀な人材を送り出している「虎の穴」ともいえるスーパー工科大学がある。

 その一つである私立の浦項(ポハン)工科大(ポステック)で、「国立大学転換構想」が浮上し、韓国の産学で話題になっている。

 熾烈な大学入試競争が人気テレビドラマにもなっている韓国。有名大学といえば、「SKY(スカイ)」と呼ばれるソウル大、延世(ヨンセ)大、高麗(コリョ)大が有名だが、理工系の受験生の間ではSKYよりさらに難関の大学がある。

SKYより難関のポステック、カイスト

 国立の韓国科学技術院(カイスト=Korea Advanced Institute of Science and Technology)と私立のポステック(Pohang University of Science and Technology)だ。

 全国から優秀な高校生を集め、恵まれた環境で猛烈教育を施す。

 そのうちポステックで2021年に入って、国立大学への転換構想が浮上した。

 ポステック関係者によると、2021年の予算などを審議するポステック財団理事会で、「国立大学転換」についての議論があったという。

 大学側は「公式検討に入ったわけではないし、中長期的な意見交換という水準にすぎない」と説明する。

 それでも、ポステックの設立経緯と知る大学教授は「ポスコがついているから大丈夫だと誰もが考えていただけに、こういう話が出ることだけでも驚きだ」と話す。

 韓国では、来春、文在寅(ムン・ジェイン=1953年生)大統領の選挙公約でもあった新設工科大学が誕生する。