(4)バイデン大統領の就任式(1月20日)には、台湾の駐米代表が主催者の招待を受けて出席した。

 台湾の代表が就任式に正式に招かれたのは、1979年の米台断交後、初めてである。台湾への関与を強める米国の意思が明確に示された証左である。

(5)バイデン大統領の就任演説:

「世界が今、米国を注目している。だから私は、世界の人々にメッセージを送る。米国は試練を乗り越え、一層強くなった」

「私たちは同盟関係を修繕し、再び世界に関与する。私たちは力の見本としてだけでなく、模範の力を示すことによって、主導する。私たちは平和と進歩、安全保障のための強力で信頼されるパートナーになる」

(6)米国務省のプライス報道官は1月23日、台湾に対する中国の軍事的圧力が地域の安定を脅かしているとして、軍事、外交、経済的圧力を停止するよう中国に求める声明を発表した。台湾との関係強化も表明した。

 台湾外交部は1月24日、米国務省の声明について「バイデン政権による台湾支持と台湾防衛重視」の表れだとして謝意を表明。

 台湾の専門家は「バイデン政権は前政権の方針を引き継ぎつつ、より緻密に中国対抗策を推進していくだろう」と分析している。

 プライス報道官の声明に対し、中国外務省の趙立堅報道官は1月25日の記者会見で「台湾は中国の不可分の一部だ。台湾独立や外部勢力の干渉に断固として反対する決意が揺らぐことはない」と述べた。

 そのうえで「アメリカには、台湾に関する問題を慎重かつ適切に処理し、台湾独立勢力に誤ったメッセージを送らないよう求める」と反発した。