(羽田真代:在韓ビジネスライター)
米国・テキサス在住の男性が「背が高くなる手術を受けた」と話題となっている。
以前から背が高くなりたいと思っていたアルフォンソ・フローレス氏(Alfonso Flores)が、The LimbplastX Instituteのケビン・デビパルシャド(Kevin Debiparchad)博士の手術を受けて、180cmだった背が5cm伸びて185㎝になったという内容だ(参考記事)。
このニュースを見て、筆者は過去の勤務先である韓国現地企業の代表の話を思い出した。代表の中学生の娘に生理が始まった。しかし、身長がまだ低いので、生理を遅らせて、本人や親である自分たち夫婦が理想とする身長まで成長したら、また生理を再開させるという話だった。
この話を聞いた日本人の皆さんは驚くのではないだろうか。
「生理を止める?」
「自然現象なのにどうやって?」
衝撃的な内容で、不可能な話に聞こえるが可能なのだという。
十分な身長の伸びしろがある女児でも、生理が始まると身長が伸びにくくなると言われている。そのため、子どもの身長を伸ばしたい韓国の親は、早く始まった子供の生理を先送りして、身長を十分に伸ばしてから再開させるという。
生理を遅らせる薬は、性ホルモン抑制剤と呼ばれている。正式名称はGnRH agonist(GnRHアゴニスト<偽閉経療法>)というそうだ。成長ホルモンは、身体の代謝作用や骨を刺激して成長を促進させる。一方、GnRHアゴニストは、生理等の思春期に起こる作用を抑制させて、成長板の成長が早く止まらないように調整する。
筆者は代表の話を聞くまで、こんな方法があることを知らなかった。考えてみれば、避妊薬のようなピルがあるくらいだから可能なのだろう。
それにしても衝撃的な内容だ。代表の奥さんは小学校教師である。子どもの成長に敏感な職業に就いている人物が、自然な成長に委ねずに、科学の力で美を追求させることを選んだ。さすがは見た目重視の韓国である。