心霊学によれば人間は肉体と霊的身体からなるという。
その霊的身体は「魂の緒(たまのお)」という複数の霊的な紐で繋がり、通常は肉体と重なって存在している。
また、霊的肉体は時より遊離し下界を徘徊する。その時、火球となれば「人魂(ひとだま)」。肉体と同じ姿なら生き霊と呼ばれる。
生き霊のほとんどは自我の意識が眠る睡眠中にその姿を現わし、一般に怨みや嫉妬、怒りなどの念が凝ると発顕する。
霊的肉体を持つ生き物は人間だけではない。
動物霊は発動する
超自然的な作用を起す方術には、その下位分類として妖術と邪術がある。
妖術は、他人を妬んだり、恨んだりすることで神秘的な働きにより、他人に災いをもたらす力の作用がある。
他人に恨みをもつ人は、その己の心の内を自覚する。だが、その力で恨みの対象者が攻撃され、禍に遭うかどうかは知り得ない。そうした非意図的な力の働きを妖術という。
たとえば動物霊が祀られている家では、祀り手の命令で動物霊が活動するだけでなく、生霊と同様に祀り手がある特定の人物を妬んだり、恨んだりすると動物霊は発動する。
一例を挙げれば、犬を祀る家の人が「あの家はお金持ちで羨ましいな」と思えば、犬の霊は金持ちの家に出かけ、その家の人に取り憑き、金銭を持って帰るというものである。