成功者や発明家の人生を調べると、共通しているのは「何らかの疑問について懸命に考えたが、どうしても分からず、休息した時、答がふとひらめいた」という点である。
「己有(こう)を知らず、貧これに過ぎたるはなし」と空海は説く。
心にはとてつもない威力が潜んでいる。これを識らずして生きることは何とももったいない、ということだ。
祈りとは心の作用であるが、祈り方には種類がある。
自分や家族の幸福を祈る場合があれば、人の不幸を祈る場合もある。
英国の哲学者でケンブリッジ大学、米ハーバード大学で教鞭をとったアルフレッド・ノース・ホワイトヘッド博士は、祈りに効果が現れる理由を著書『過程と実在』に、次のように綴っている。
「実体とはそれが存在するために、他の何物も必要としない。現実的実質とは、それ自身になることにおいてそれが何であるかの問いを解決する。また、全世界は相俟って各現実的実質を産出する」
これは、哲学である。しかし、量子物理学の概念とも共通する。
量子物理学の世界では「人が見るもの、思い描くもののすべてが創られながら創造していく」という原理で動いている。
その論理によれば、自身が如来と一体化すれば如来の世界が生じ、加持祈祷を修すれば、その威力や効果は存在することになる。