ニュージーランドのアーダーン首相は、新型コロナ問題で連日記者会見を行い、国民に情報を発信してきた。そして見事に新型コロナを押さえ込んだ。ドイツのメルケル首相も心を打つ演説を行ってきた。こういう政治家が日本にはいないのか。情けなくなる。

 緊急事態宣言を出さないのなら、その判断を誰もが納得するように語るのが首相の、政治家の責任である。「政府分科会の先生方は、もうしばらく様子を見て、分析したいという方向だったようだ」、こんなことしか言えないのならテレビになど出てくるなと言いたい。

こんな緊急事態宣言では感染者は減らない

 今回の緊急事態宣言でよく分からないのは、午後8時以降の外出自粛を強く要請するとしていることだ。昼間も不要不急の外出自粛を求めているというが、これは明らかに誤ったメッセージになっている。渋谷にいる若者にあるテレビ局がインタビューをしていたが、「午後8時以降は自粛を求められているので、それまで遊ぼうと思っている」という主旨の回答をしていた。そう受け取って当然である。

 事実、東京や大阪の繁華街の人出は、昨年の緊急事態宣言時に比べて2倍から4倍になっている。不要不急の外出自粛などまったく効いていないのだ。20代、30代の若者の感染者が多くなっているが、若者には外出自粛要請がまったく届いていない。これで感染者が増えるのが当然で、減るわけがない。不要不急の外出自粛を強力に呼びかけるべきである。

 中国、韓国を含む11カ国・地域との間のビジネス関係者らの往来に関しては、継続する方針を決めた。新型コロナ変異種の市中感染が「1例でもあったら(当該国との往来は)即停止する」としているが、果たして十分なチェックができるのか。すでに日本には変異種が入ってもきている。現在の感染者数の急増とこの変異種の関係はまだ解明されていないが、関係がある可能性も存在するということを指摘する専門家もいる。ビジネスも含めて完全に入国禁止措置をとるべきである。

 そもそも今回の緊急事態宣言は、飲食規制を行った北海道や大阪で感染を押さえ込めたということが前提になっている。この前提がすでに崩壊しているのだ。それは大阪の感染者数の急増を見れば分かる。北海道もさほど劇的に減っているわけではない。