アルコールやタバコとIBSの関係は?
「短鎖炭水化物」というのは聞きなれない名前ですが、小麦、玉ねぎ、豆類(特にひよこ豆、レンズ豆)、リンゴ、トウモロコシ、牛乳、ヨーグルト、ハチミツなどに多く含まれています。ご覧の通り、ごく一般的な食材なので、アレルギーでもない限り、普通はまったく意識しないで摂取しているものと思います。玉ねぎ、リンゴ、トウモロコシなどは盲点になりやすいので、注意が必要です。また、実は食材のアレルギーが根本原因であって、下痢として症状が発現しているというケースもあります。
以上のように、原因となる食材に関しては個人差が非常に大きいので、お腹の調子が悪くなったら、ここ1、2日で何を食べたかを思い返し、誘因になる食材を絞りこんでいくようにしましょう。
ちなみに、カフェインはIBSの原因としてエビデンス(科学的な証拠)がありますが、アルコールやタバコはどうでしょうか。いかにも関係ありそうですし、アルコールを飲んだ翌日は下痢しやすいという人もいると思います。しかし、現在のところ関連を示すはっきりとした証拠はなく、大量に摂取しない限り問題はなさそうです。ただしやはりこれも個人差が大きい点なので、思い当たる節がある人は注意するようにしてください。
ストレスを避け、食事に注意しても症状が治まらなければ、医療のサポートを受けることをお勧めします。まず選択する治療薬には、大腸内の水分を吸収する高分子重合体や、消化管運動を調節するものなどがあります。短期間の内服で、意外とピタッと治まる場合もあります。
もしなかなか治まらない場合は、抗アレルギー薬、漢方、抗不安薬、抗うつ薬も使用します。このように、ケースバイケースで治療方針がかなり変わってくるので、専門の医師にしっかり診てもらうようにしましょう。