IBSの原因になるストレスを制御するには
さて、IBSを避けるためにはどうすればいいのでしょうか。IBSの主な原因はストレスなので、根本的にはストレスを避けること、つまりストレス・コーピングが必要です。
ストレス・コーピングには問題焦点コーピング(ストレス源そのものに働きかけて、それ自体を変化させて解決を図ろうとすること)と、情動焦点コーピング(ストレス源そのものに働きかけるのではなく、それに対する自分の考え方や感じ方を変えようとすること)の2つがあります。
前者が可能であればそれが理想だとは思いますが、会社や共同体のシステムやルール、他人の考えを変えるというのは、そんなに簡単なことではありません。世の中は往々にして後者による対応を迫ってきます。
毎回自分が折れなくてはいけないとなれば悔しいし、理不尽だと感じるでしょう。しかし、後者のコーピングはその一つ上の次元、つまり理不尽だとすら感じないという心のありようを目指していています。あたかも川の流れのように、障害物があれば、それをスルッと避けて通るようなものです。
とても難しいことではありますが、これができれば最強であることは間違いありません。私たち現代人はそもそもストレスが多い上、コロナ禍でさらに複雑になった世の中に対処しなくてはいけなくなりました。この情動焦点コーピングを多少なりとも身に付けることが、メンタルを健全に保ち、今後の人生のカギを握るといっても過言ではありません。