感染症対策として菅政権がやるべきことは見えている(写真:UPI/アフロ)

(星良孝:ステラ・メディックス代表取締役/編集者・獣医師)

 8月の新規感染者の増加を第二波とすると、その人数はやや減少傾向にあり、関心は秋冬シーズンの第三波の動向に向いている。そこで生じ得る問題はいくつかある。新型コロナウイルス感染症そのものの問題、さらにその周辺の問題だ。

 新型コロナウイルス感染症そのものについては、症状が重い人や死亡者が出ないかどうか引き続き監視が必要だ。当然、新規感染者の増加が見られるかも注意すべきだろう。

 さらに、周辺の問題としては、インフルエンザをはじめRSウイルスや感染性胃腸炎など、新型コロナウイルス以外の感染症の流行に注意を払う必要がある。新型コロナウイルス感染症への対応が迫られる中で、別の病気をいかに予防するか、診断や治療をいかに行うかが課題になる。新型コロナウイルス感染症の蔓延と他の感染症が重複して拡大した場合の対処も問題だ。

 今回は、これから直面する課題の中でも、新型コロナウイルス感染症そのものの脅威に注目し、今後の展望を海外の研究を参考として考察する。