過敏性腸症候群を増幅させる主な食材

 この点については様々なヒント、方法がありますので、稿を改めてしっかり解説します。

イラスト:近藤慎太郎

 さて、ストレスを避けることの次に大切なことは、自分の体質にあった食事を摂ることです。IBS症状を軽減させるためには、一般的に「規則正しい食事」と「十分な水分摂取」が重要です。

 毎日決まったタイミングで食事を摂ることによって体にリズムが生まれ、排便もコントロールしやすくなります。便秘は排便の障害物なので、水分をしっかり摂って便秘を改善することも重要です。

 では食事の内容はどうすればいいのでしょうか。IBSを増悪させやすいものとして、乳製品や香辛料、脂質、カフェインを多く含む食事が挙げられています。みなさんの周りにも、牛乳や乳製品を摂るとお腹をこわしてしまうという人がいると思います。これは多くの場合、「乳糖不耐症」という体質的な問題ですが、IBSとも大きくオーバーラップしています。

 香辛料はいかにも影響が強そうです。IBSを増悪させる報告があるものとして、カプサイシン、胡椒、シナモン、ターメリックなどがあり、非常に多岐にわたっています。
 
 また、欧米では低FODMAP食といって、「短鎖炭水化物」を含む食事を控えることが推奨されています。短鎖炭水化物は大腸内でガスを生じ、お腹の張り、腹痛、オナラの原因になります。また、大腸内に水分を引き込む性質も持っているので、下痢しやすくなるのです。