連載「ニューノーマル時代の大学」の第6回。学生街のラーメン屋も大学の機能の一部である──専修大学商学部の渡邊隆彦准教授がコロナ禍での毀損を危惧する「授業以外で大事なこと」とは?
 大学キャンパスでの対面授業は、リモート授業である程度は置き換え可能かもしれない――若干乱暴に言えば、これが春学期を終えての個人的な感想です。

 私がそう総括するのは、前回まで述べてきたように、リモート授業には質問のしやすさやアクセスのしやすさといった、対面リアル授業にはない「リモートならでは」の良さがあることに気づかされたからです。

 もちろん、「リモート化(オンライン化)に際して解決を目指すべき課題」はまだまだ山積しています(第5回参照)。ハード面では、学生の情報通信環境や学習スペースの改善をしていかなければ、リモート授業のサステナブル(持続的)な運営は難しいでしょう。ソフト面では、コミュニケーションや人間関係をいかに構築してゆくか、工夫が必要です。

 また、実技系・実習系の授業については、リモートで行うのは難しいと思います。が、これらの授業についても、VR(バーチャルリアリティー)技術を使うなどして、何とかリモート化しようという努力が続けられているようです。

 ・・・リモート授業については、授業の「質」の問題を含め、またあらためて掘り下げることにしましょう。今回は、「対面授業かリモート授業か」の議論から離れ、もっと広い視野から大学を見つめ直してみたいと思います。