ハマの指揮官として初の外国人監督が快挙を成し遂げた。横浜DeNAベイスターズのアレックス・ラミレス監督が5日、中日ドラゴンズ戦で勝利を飾り、監督通算300勝に輝いた。かつてチームを率いた494勝の別当薫氏(1967~72、77~79年)、461勝の三原脩監督(60~67年)に次いで球団史上3人目の栄誉だ。2016年から就任5年目で大台に到達したことは素直に称賛されるべきであろう。
指揮を執った過去4シーズンでリーグ優勝を経験したことは1度もない。ただ、就任1年目の16年シーズンではそれまで12球団中唯一、出場実績がなかったクライマックスシリーズ(CS)への出場権をリーグ3位に滑り込んでつかみ取り、ファイナルステージまで進出。翌17年にはリーグ3位からCSファイナルステージを突破し、最終的に福岡ソフトバンクホークスに敗れて日本一は逃すも日本シリーズ進出を果たしている。18年はAクラス入りをかけたデッドヒートの末にリーグ4位に終わり、CS出場権は得られず。しかしながら19年の昨季は22年ぶりのリーグ2位となり、再びCSへ出場してポストシーズンを戦った。
ラミレス監督の就任前までチームは過去10年間、連続Bクラスの暗黒時代が続いていた。そのうち、最下位に沈んだのは実に7シーズン。そこからラミレス監督はチームを再建し、就任以降は4シーズン中3度のAクラス入りとCS進出を果たすまでのレベルへと押し上げた。前任指揮官の中畑清氏が辛苦を重ねつつ、今の主力たちの種をまいて育成してきた地盤によってラミレス体制は多分に助けられている――。そういう指摘があるのも確かに事実であり、否定はしない。
とはいえ、それだけでここまでのV字回復はまず果たせないだろう。やはりラミレス監督の積み上げた通算300勝はベイスターズを長きに渡る低迷期から脱出させ、Aクラスの常連チームにまで成長させた指揮官の手腕と功績の「証」であると思う。
「ラミ流采配」に拒否反応を示すファンも
だが、ラミレス監督にはいわゆる「アンチ」も多い。熱烈なベイ党の中からも、特にネット上では負け試合になると強烈なアレルギーを全開にしながらラミレス監督への激しいバッシングを繰り返すコメントが非常に多く散見される。その批判の大半は、就任早々から独自のデータを重視し、場合によっては奇策も駆使しながらタクトをふるう“ラミ流采配”について「不可解」とする声だ。