コロナ禍は、日本人の生命・身体・財産をはじめ、経済、外交、安全保障のいずれに対しても深刻な損害や影響を及ぼしている。

 元を正せば、対中弱腰外交や経済の過度の中国依存がその原因である。特に、後者は、引き続き日本の対中政策の足枷となることが懸念される。

 外務省が在外公館などを通じて実施した「海外進出日系企業実態調査」の結果によると、平成29年10月1日時点で海外に進出している日系企業の総数(拠点数)は、7万5531拠点。

 国別では中国が3万2349拠点(約43%、在留邦人数12万4162人)と第1位である。

 これらのほとんどの企業には、中国共産党の組織が設置され、その統制監督を受けている。

 また、「国防動員法」を楯に、中国の一方的都合によって、日本がマスク不足に陥ったように、日本企業の製品や施設、設備などが根こそぎ徴用され、在留邦人が人質に取られる恐れも付きまとう。

 また、わが国にとって、中国は最大の貿易相手国(貿易総額の21%、輸入の23.5%、輸出の19.1%)であり、わが国の対中直接投資額が世界第3位であるように、日本の経済はあまりにも過度に中国に依存していると言わざるを得ない。

 今般のコロナ禍で見られたように、中国に過度に依存すると、それが弱点となり、あるいは人質に取られ、結果的に中国に支配されて、日本人の生命・身体・財産や安全保障までもが危険に曝されかねないのである。

 経済あっての安全保障ではなく、安全保障あっての経済であり、安全保障の最大のテーマは主権・独立の維持にあるはずだ。

 その意味で、親ロシアでありながら、ベラルーシが石油をはじめ経済のロシアへの過度依存の危険性から脱却するため、資源調達の多角化を進め、主権と独立を維持しようとした必死かつ賢明な選択を、日本も大いに見倣うべきである。