ベラルーシ、米国から石油輸入へ
旧ソ連邦の一員で、ソ連邦崩壊後も最も親ロシア国と見られ、石油を同国に依存してきたベラルーシが、米国から石油の輸入を開始した。
ベラルーシが、ロシアへの過度の経済依存により、その支配を恐れたためとみられ、この地域でのロシアの影響力を警戒する米国との思惑が一致したことがその背景だ。
ベラルーシは、民族的かつ地理的な近さもあり「伝統的な親ロシア国」である。
1991年にソ連邦から独立したが、国土の東をロシアと隣接し、人口約950万人の8.3%(約80万人弱)がロシア人、84%がロシア正教徒であり、ベラルーシ語とロシア語を公用語としていることから見ても、その親密ぶりが伺える。
ベラルーシとロシアは、1999年12月に「ベラルーシ・ロシア連合国家創設条約」に署名し、政治、経済、軍事の統合や社会生活における両国民の平等の実現などを目指した。
しかし、2005年以降統合プロセスは実質的に停止している。
一方、2015年1月には、対外統一市場の形成、域内のヒト・モノ・サービスの自由を発展させる狙いで、ロシア、ベラルーシ、カザフスタン、アルメニアおよびキルギスの5か国を加盟国とした「ユーラシア経済同盟」を発足させた。
特に、ベラルーシの貿易相手国を見れば、その大半がロシア(輸出:43.9%、輸入:57.2%、2017年ベラルーシ共和国国家統計委員会)によって占められている。
石油をはじめ、経済のロシアへの過度な依存が大きな問題となってきた。