一方、不繊布マスクは繊維を織るのではなく、機械や化学的作用で複数の材料を密着させた不繊布をフィルターに使うもの。形状も人間の顔の形に合わせた立体型や折り目のついたプリーツ型がある。布マスクに比べてフィルターの能力が高く、医療現場で使われるサージカルマスクも不繊布マスクだ。ただし、1度切りの使い捨てとなる。

マスクの説明は日本衛生材料工業連合会のサイトを参考

メーカーはフル稼働しているが・・・

 国内メーカー各社は24時間体制でフル稼働しており、経産省によると通常の3倍の生産に上る。それでも需要に追いつかないのが現状だ。

 医薬品メーカーの興和広報部によると、1月中、下旬から増産体制に入った。さらに同社は不織布の三次元マスクを発売していたが、国からの要請もあり、国内と海外の生産協力工場を活用してガーゼマスクも取り扱い、3月には1500万枚規模、4月には5000万枚規模で生産すると発表した。同社広報部によると、不織布マスクはドラッグストアや薬局を通じて消費者に、ガーゼマスクは政府調達に回るという。同社は「三次元マスクを十分に提供できていないこと、関係機関からのご要望にお応えすることができず大変心苦く感じております。少しでも皆様からの多くのご要望に応えるべく、引き続きできる限りの増産体制を取ってまいります」とコメントしている。

 経済産業省はマスク生産事業者が増産する際の設備投資に上限2億円、補助率が中小企業4分の3、大企業など3分の2の補助制度を実施。第1弾として2月28日に興和、XINS、ハタ工業の3社を採択し1500万枚の増産を果たした。続いて3月13日にはシャープなど7社、25日にも4社が採択され、総計で6760万枚増産できるようになった。

 経産省広報室によると、令和2年度も補助事業を緊急経済対策の一環としてもり込んでおり、今年度もマスク増産の手助けになりそうだ。