Type45とは? 世界共通じゃなかった小麦粉の分類

パンのおいしさのカギのひとつはミネラル含有度にあり

2020.04.03(Fri)佐藤 成美

小麦の質に合わせて工夫

 山田さんが「アメリカでも、多目的粉として灰分で規格が決められています」というので、他の国を調べてみた。中国もタンパク質量では分けていないらしい。1等粉は灰分0.7%、標準粉は灰分1.1%と灰分で分類されているようだ。中国では地元でとれた小麦を粉にし、饅頭(マントウ)や麺にして食べている。インドでは、全粒粉にあたるアタをチャパティに、中力粉にあたるマイダをナンやパロタにして食べる。

 小麦は世界で一番多く栽培されている穀物だ。古くから、人々の主要な食料として、利用されてきた。当然だが、その土地で採れた小麦を使う。そして人々は、パンや麺、だんごなど、小麦の特性にあった利用の方法を発明した。世界中にその土地独特のさまざまなパンがあるのもそのためなのだろう。

ドイツ国内のベーカリーで売られているパンの数々。身が黒っぽいパンも見られる。(筆者撮影)

 たとえば、ドイツでは、黒っぽい硬めのパンが多い。これはライ麦を使うためだ。ライ麦はやせた土地や寒い地方でも育つため、小麦の代わりに栽培される。寒いドイツでは、小麦はあまり育たなかったのである。その他にも、小麦の祖先であるスペルト小麦やエン麦の原種のカラス麦など他の穀類もよく使う。スーパーマーケットにずらりと並んでいたのは、小麦粉ばかりでなく、ライ麦粉や全粒粉など、それにさまざまな穀物の粉だったのだ。

 小麦大生産国のフランスでは、バゲットなど白いパンが多い。ただ、フランスの小麦のタンパク質の含有量は11~14%とアメリカやカナダの小麦14~16%に比べて低いので、その質にあったパンがつくられてきた。

 ドイツやフランスパンのおいしさは、小麦粉をたくさんの種類に分類し、使いこなしていることにあるのかもしれない。

この連載記事のバックナンバー
トップページへ戻る