Type45とは? 世界共通じゃなかった小麦粉の分類

パンのおいしさのカギのひとつはミネラル含有度にあり

2020.04.03(Fri)佐藤 成美

灰分で決まる海外の小麦粉

 小麦粉の規格は、タンパク質の含量で決めることが当たり前だと思っていた。ところが、これは他の国では当てはまらないらしい。

「欧米では、小麦を細かく取り分けるのが面倒なので、日本と違って硬質小麦は強力粉、軟質小麦は薄力粉とはせず、軟質小麦も硬質小麦も一緒くたに挽砕して、多目的粉にしてしまうんです」と山田さんは続ける。

 フランスでは小麦粉の規格は「la teneur en minéraux(ミネラル含有度)」、つまり灰分のみで決まっているのだという。たとえば、Type45はミネラル含有度が0.45%以下で菓子用。Type55はミネラル含有度0.55%で菓子用、Type65はミネラル含有度0.65%でフランスパン用、Type80はミネラル含有度0.80%カンパーニュ用という具合だ。

 なるほど、小麦粉の数字の意味は分かった。ドイツも同様でType405はミネラル含量が0.45%、Type550はミネラル含有度が0.55%を示す。数字が小さいほど灰分は少なく、白い小麦粉になる。

 灰分が同じでもタンパク質の量が異なれば、グルテンの形成の仕方が変わるはずだ。灰分だけで用途が決められるのが不思議だった。これについて山田さんは「小麦粒の表皮から何%を削るかによって灰分によるグレード付けが行われます。削らずすべて挽砕すると全粒粉となり、皮部を徹底的に取り除くと白い小麦粉になります」と話す。

 小麦粉をつくるとき、小麦を一度に粉にするわけではなく、段階的に何回も分けて粉が取られる。まず、できるだけ胚乳部分をそのまま残すように、小麦を大きく割る。その後、外皮部分を削り、ふるい分けしながら粉にしていく。

 それで、合点がいった。ミネラルは小麦の表皮に多く含まれ、タンパク質も胚乳の外側に多い。胚乳の中心に近づくほど灰分やタンパク質が少なくなる。どちらも中心部に近づくほど少なくなるので、結果として灰分が少ないほうがタンパク質は少なくなる。だから、Type65はType45よりタンパク質の量が多くなりパン用になるということか。

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