(廣末登・ノンフィクション作家)
令和元年の大晦日、カウントダウンに行って盛り上がった方も多いのではないだろうか。12月は、クリスマス、忘年会、カウントダウンと、イベントだらけの月である。筆者の年になると、喧騒が疲れるから、なるべく渋谷や六本木などは迂回するようになる。
しかし、そうしたイベントが大好きな人たちがいる。それが「パリピ」と呼ばれる人たちである。
「パリピ=半グレ」はごく稀な存在
読者の皆さんは、パーティ・ピープル(俗に「パーティピーポー」とも)という人たちをご存じだろうか。連日のようにクラブなどでシャンパングラス片手に酒宴を繰り広げる人たちのことだが、筆者が身近な人に尋ねても、あまり知らないようだ。たまに知っているという人に出会っても、「それって半グレ?」などという逆質問を受けるような有様で、どうもイメージがよろしくない。
イメージがよろしくない理由の一つに、2016年7月に起きた「博多金塊強盗事件」の犯行グループが「パリピ」だったとする報道があると思われる。例えば産経デジタルIZAは、博多金塊強盗事件を紹介し、「どんちゃん騒ぎ大好き『パリピ』人脈で結成 福岡金塊窃盗団の正体とは」という記事を掲載している。