博多金塊強奪事件の主犯とされる野口和樹氏に聞いてみた

「半グレとパリピは二足の草鞋ではない。本来、パリピとは、パーティ好き、お祭り騒ぎ好きな者のことと思う。芸能人でいえば、イルマニアというグループが象徴的で、彼らがパリピを売りにしていた。

 イルマニアは、マツコさんの番組に出たり、いろんなクラブシーンに登場してパリピを紹介していた(イルマニアは4人のメンバーからなるパリピ集団。メンバーは、MCMA、なやちゃん、リチェス、DJ SHIMASEで構成されていた。日本テレビの深夜番組『月曜から夜ふかし』で紹介され知名度を上げたといわれる。2018年ごろに分裂)。

 彼ら(イルマニア)は、私たちのパリピの事を、本物だが独特だと言っていた。半グレのような連中がパリピ好きで、そういうパーティ好きの連中が集まって「パリピ」を売りにしているから、世間からすると一般の人は『パリピって半グレなの。半グレってパリピなの。どっちなの』という疑問を持たれるかもしれないが、私たち生粋のパリピは、自分たちが半グレだとの認識は一切ない。というか『半グレ』というレッテルを貼られることを恥ずかしいと思っている。だから、私たちは、二足の草鞋ではなく、純粋にパリピ集団なのかもしれない。

 私たちのパリピ仲間は、全日本パリピ協會を本体とし、パーティエストという名前も持ち、アパレルも経営し、パリピ衣装もある。全国でもトップレベルと思われる『パリピ選手権』というものを、テレビ局が番組で企画したことがあったが、私たちは、これにも参加した。

 それに私たちのパリピには、会員条件というものがあって、全国のクラブイベントや、フェスを周ること。海外も周ること。基本、毎日、パーティを開くことが明記されている。私は、日曜日ですら会員を集めて、渋谷のクラブでパーティをしていた。

 パリピをやるには、クラブやフェスにコネクションが必要。毎年9月に行われる『ウルトラ・ジャパン(以下、ウルトラ)』というフェスは、VVIP席にはタレント、女優、モデルが座るので、入場できる人間を制限している。この席は1席が80~300万円以上という桁外れな値段で、とても一般人が気軽に購入できる席ではない。

 実際のVVIP席には、芸能関係者やモデル、タレント、俳優、女優、大企業の社長などがずらりと顔を揃えていることが多い。水を頼めばペットボトル1本1000円もする。しかも、10本からのオーダーからしか受け付けないのだ。シャンパンセットであれば数十万円はする。

 しかし、当時私たちはここに入ることができた。その時、条件として、モデルの女性とかを、1テーブル10名に対して3人は連れてきてほしいというような要請もあるが、私たちは、それもこなしていた。

 だから、私たちのパリピグループは、半グレとはみなされていなかった。それに、他のパリピがいくら真似をしようが、まず勝てないだけのコネクションを、私たちは持っていたからだ。英語、中国語を駆使するメンバーも少なくない。さらに、グループ内には、医者、歯医者、弁護士、レストラン経営者などが居るし、女の子はモデルやタレントの卵などだ。みなそれなりに社会的な地位を有する者が集っている。だから、当時、私たちのパリピグループは、半グレとはみなされていなかった。

*写真はイメージです

 私は、クラブ・ミュージックが大好きな人間だ。海外に渡ってクラブ・ミュージックを学んだこともある。その知識と経験を生かして、地方のクラブをプロデュースし有名にしたこともある。

 要するに、パリピの形は様々だ。私たちのグループは、たまたま半グレと呼ばれるような人間に見えるだけなのだろう」