2019年12月24日、中国・成都で首脳会談に臨む安倍晋三首相(右)と韓国の文在寅大統領(写真:YONHAP NEWS/アフロ)

 迷走したまま本番を迎えるのだろうか。2020年東京五輪に参加する韓国のことである。

 韓国の大韓体育会は東京五輪での目標を「10―10」と設定。要は金メダルを10個以上獲得し、総合メダルランキングで10位以内に入るという戦略だ。

 しかし壮大な目標を掲げているものの現実を直視してみると、政治的要素によって大きく足を引っ張られようとしている。過剰なまでの「反日政策」が開催国・日本の怒りを増長させて自らの肩身を狭くさせようとしているばかりか、自国代表選手団からもヒンシュクを買ってしまうことで目標達成の足かせとなりつつあるからだ。

自国選手に日本の食材を口にさせない「食事制限令」

 日韓首脳会談が昨年12月末、1年3カ月ぶりに実現。史上最悪と評される日韓関係の修復に期待が寄せられているが、そう簡単に好転するはずもない。スポーツ界も同様で、特に日本で行われる2020年東京五輪に関しては従来通り「参加こそするが、あくまでも敵国に乗り込む」というスタンスに何ら変わりはないようだ。

 その流れの中で韓国側が開催国の日本に対し、未だに厳しい目を光らせながら槍玉に挙げているのが東京電力福島第一原発事故による放射能汚染の問題である。

 日本側はIOC(国際オリンピック協会)のプレゼンテーションの場で安倍晋三首相が「アンダー・コントロール」という語句を用いながら放射能漏れの心配はなく、監視下において安全面が保障されていることを強調していた。選手村でも日本産の食材を使った料理を各国の代表選手たちに提供し、日本側としては全世界に「食の安全」をアピールする機会ともとらえている。

 ところが韓国政府は大韓体育会を通じ水面下で自国の代表選手たちに選手村で用意される日本産の食材を使った食事を口にしないよう呼びかけ、それを実践させるための〝自衛策〟まで打ち出す方針を固めている。