わざわざ空輸してまで取り寄せた自国の食材を一流シェフが〝匠の技〟によって食べ慣れた韓国料理をこしらえてくれるのだから一見すると、韓国の代表選手たちにとってみればプラス材料となりそうな気もする。ところが、実際のところそうでもないようだ。

「食事制限令」が選手のストレスに

 大韓体育会とも密な関係を築く在日韓国人の事情通は「代表候補の選手たちの多くも、この方針に心底呆れ返って失望している」と述べ、このように続けた。

「東京五輪の選手村で用意される食事には手をつけてはいけない——。そんな言葉を密かに韓国側が代表選手団に徹底させ、露骨な『反日イズム』を押し付けようとしているのは目に見えている。

 ただ、代表候補の選手たちからは『なぜ自分たちだけが離れた場所で食事を摂らなければいけないのか』『そんな面倒なことをせず設備の整った寝食のできる選手村で都合のいいタイミングで食事を摂れるような態勢にしてもらわないと、時間的なロスや精神面でのマイナス材料を招くのではないか』『こんな食事制限を設ければかえって逆効果につながってしまい、東京五輪では好結果につながらなくなってしまうのでは』などと不安を訴える者が続出していると聞く。

 彼らが困惑しているのもうなずけますよ。我々のように日本に住む韓国人が普通に日本産の食材を美味しく、しかも安全に食べているのに結果を出さなければいけない代表選手だけが、こんなルールを押し付けられるのですからたまったものではありません。

 東京五輪で母国のために戦う彼らが何だか気の毒にすら思えてきます。音頭を取っている黒幕の文政権は、無関係なスポーツ分野の五輪代表選手たちにまで自らの政治理念を強要しようとしているのです」

 日本との対話に乗り出す構えを見せている文在寅大統領だが、東京五輪での無茶苦茶な〝食事制限令〟を聞く限り、とても歩み寄るとは思えない。内外でブーイングが飛び交う現状に目をつぶり、スポーツの祭典にまで「反日」を反映させようとしているからだ。

 一方で自由を失い、ストレスを覚えながらの戦いを文政権によって強いられる韓国の東京五輪代表選手団に「10―10」を望むなど夢のまた夢だろう。