また、ボールがゴールラインを越えて外に出た時には、両チームの選手がボールを追いかけ、攻撃側が先にボールに追いついたらゴールに向かってキックする権利が与えられた(ゴールに入ったら1点)。逆に、守備側が先に追いついたら守備側のボールになった。また、ボールより前にいる選手はすべてオフサイド。どれもサッカー、ラグビー共通だったのだ。

 だから、両クラブの話し合いで「前半はアソシエーション式、後半はラグビー式」で試合をすることも可能だったという。

 最初はサッカーでも、ボールより前にいる選手はすべてオフサイドだったから、今のラグビーと同じように前方へのパスはできなかった。だが、1866年にルールが改正され、サッカーでは相手のDFが3人(現在は2人)いれば、それより手前の選手はオフサイドではないことになった。これによって、サッカーでは前にいる味方へのパスが可能になり、それまでとは攻撃方法がまったく変わってしまった。

 一方、ラグビーの方で大きく変わったのは得点方法だった。

 元々は、サッカーと同じように「ゴールポストの間にボールを蹴り込んだら1点」というルールだった。だが現在はトライで5点、コンバージョンキックで2点が入る。

 最初はサッカーでもラグビーでも、ボールがゴールラインの後ろに転がった場合は、先にボールを押さえたチームのボールとなった。だが、その後、サッカーでは、ボールがゴールラインを割った時に、攻撃側が最後に触った場合には守備側のゴールキック、最後に触ったのが守備側だった場合には攻撃側のコーナーキックで再開するようになった。

 そして、ラグビーの方は、ゴールラインの後ろで攻撃側の選手が先にボールを接地させれば、その後のキックが成功しても失敗しても得点が認められるようになった。つまり、これが「トライ」という得点方法だ。