(3)日本の対中政策はこれでいいのか

 一方、日本政府は、中国のCCTVでの中国建国70周年記念日の祝意や、先の所信表明演説では耳を疑うようなことを述べている。

 CCTVでは、「両国経済は緊密なものとなっていると同時に、お互いがお互いを必要としている関係になっている」と述べているが、中国にとっては米国との深刻な貿易戦争で痛手を被っているから、その穴埋めとして日本を利用し、同時に日米の離間を図るのは当然だろう。

 米国は中国との交渉で「資本移動の自由」を突きつけているそうだが、端的に言えば中国にいる外国企業が撤退しようとしても、撤退できない状況を打破しようとして戦っているのに、日本の企業はあえて中国の人質になろうとしている。

 米国の本気に水を差す日本は、この1~2年の内に米国の国防権限法で痛い目に遭うだろう。それでもまだファーウエイを使い続ける企業もあるようだ。

 日本が米中間で中立の立場を維持すれば、漁夫の利もあると考える人たちは危機意識に乏しいか、正気を失っている。

 さらに、首相は、中国建国70周年の祝賀メッセージで「良い雰囲気の中で日中新時代を切り開く覚悟」「共に国際社会への貢献」「日中で世界の課題に取り組み、新たな未来を切り開く」「日本国民を代表してお祝いを申し上げる」などと述べている。所信表明演説もほぼ同じ内容である。

 共に日中で世界の課題に取り組むとは、中国からすれば下位に見ている日本が中国国家に優先する中国共産党のいう事を聞いたうえで中国の考えを広めるということであろう。

 中国は、2020年を目標に完全な監視・統制社会を作ろうとしているのである。その一員として協力するのは、世界に中国の独裁、抑圧社会を広めることに日本が手を貸すということではないのか。

 日本の祝賀メッセージに対する中国の反応は、「中国は高く評価する」というものだ。まるで日本は朝貢国ではないか。

 日中の間に真の共存共栄はあり得ない。経済的利益だけ受ければ、エコノミックアニマルと言われてもいいと考えるのなら、それは独立主権国家とは言えない。筆者は、祝意を述べる国民に含まれることを拒絶したい。