飲酒運転の死亡事故に死刑適用も、台湾で厳罰化検討

台湾にある超高層ビル、台北101(2013年2月25日撮影、資料写真)。(c)Mandy Cheng / AFP〔AFPBB News

 筆者は、日本安全保障戦略研究所(SSRI)の一員として、台湾戦略研究学会(TSRA)との「日台戦略対話」を発足させるため5月10~13日の間、台湾を訪問した。

 この間、同学会のみならず、台湾の立法院国会研究室、台湾国防安全研究院、台湾国防大学戦争学院戦略研究所を訪問し、対話を重ねる機会を得た。

 今回の台湾訪問は、台湾が中国から本格的に軍事的威嚇を受けていること、来年の台湾総統選挙では、民進党が相当厳しい状況に置かれていることなどを考慮して実施した。

 こうした状況では相当踏み込んだ軍事的な対話をする必要があり、また、常続的に対話を継続する枠組みを作る必要があると考えたからである。

 当初、我々SSRIメンバーは、今回の訪問を通じて日台間の安全保障・防衛協力の対話のレベルを少しでも上げることができるのではないかと意気込んでいた。

 しかしながら、訪問の結果、日本に対する「台湾の大きな失望」を理解していなかったことに大きな衝撃を受けた。

台湾防衛の中核を担う台湾国防安全研究院

 訪問した台湾国防安全研究院は、台湾の国家安全会議(National Security Council=NSC)直轄で2018年5月に設立されたものである。

 NSCと直結している存在意義は極めて大きいと判断され、今後は当研究院と深い対話が重要であることを痛感した。

 ここで、我々の研究成果である「インド・アジア太平洋防衛戦略」を説明したところ、大きな関心を示した。

 今後は対話のレベルを一段と高め、真剣な議論に踏み込める可能性を強く感じた。

 特に、当研究院は日本の南西諸島作戦との連携を模索しているようであり、将来的には日本との災害時などの後方支援や救難支援などを含めた具体的な協力関係を構築していくことが必要だと感じられた。

 また、対話の中で台湾は米国との深い繋がりを示唆しており、今後日本は、日米共同作戦と台湾との一体化(Triad)について防衛対話を深めていくことが求められるだろう。