(2)米国の決意は固い

 米国は、2018年10月のマイク・ペンス副大統領の演説を言うまでもなく、中国の「自由を抑圧する共産党政権」に対して完全に対決姿勢になっていることは承知の事実であろう。米国は本気だ。

 習近平共産党書記長は、2017年10月の中国共産党大会で「中華民族の偉大な復興の下に、人類運命共同体を構築する」と、中国があたかも朝貢体制を再構築するかのような宣言を行った。

 その直後の2017年11月7日に米国のドナルド・トランプ大統領は、「共産主義犠牲者の国民的記念日」を宣言した。

 その日は、ロシアのボルシェビキ革命から100周年にあたる日で、そこでトランプ大統領は「共産主義は、自由、繁栄、人間の命の尊厳とは相いれない政治思想だ」と強く非難したのである。

 その後の2019年3月、米国連邦議会は超党派で40年ぶりに「現在の危機に関する委員会:中国」を設置し、「我々は最終的に共産主義体制の性格から生じる問題に対処しなければならない」と決議した。

 繰り返すが、米国は中国と単なる貿易戦争を行っているのではない。「米国は対極に位置し支配に飢え、他を支配する勢力に対し、自らが依って立つ伝統や慣習を守っていく」(9月24日トランプ大統領の国連演説)ことを目標としているのである。

 日米貿易協定が早期に妥結したのも、日本が対中国において政治的にも、軍事的にも重要だからであり、上手く交渉できただけではないことを銘記すべきだ。