予防接種のために仕事を休んでまで受診するインセンティブが働きにくく、仕事をしている方にとっては利用しにくいかもしれない。

 私は、企業主体のワクチンの集団接種が良いと考えている。クリニック医療機関に赴いて接種を受けるのではなく、医療者が企業に出張し、企業内の1室でワクチン接種をするのだ。

 接種を受ける方は、業務の合間に来ることができる。私たちのクリニックでも企業の方から依頼を受け、例年10社ほどに出張し、予防接種に当たらせていただいている。

 一度にまとめて100~300人規模の接種を行う。合計人数によっては時間制で順番を割り当ててもらい、極端にお待たせしないように工夫している。

 企業の方々の業務をなるべく滞らせないようにするためだ。社員へのワクチン接種は、企業の福利厚生として行うこともできる。

 集団接種は手続きとしては簡単だ。

 集団接種を担当する医師が、地域の保健所に対して社内に臨時の診療所を開設する申請をすればよい。

 時間を区切って集中的に接種を行えば、短時間でもかなりの人数に接種をすることができる。あまりに少人数だと医療機関側も渋るかもしれないが、80~100人程が集まるようなら業務として成立するので、医療機関側としても出張しやすい。

 あとは医療機関側が大量のワクチンをまとめて確保できることが前提であるので、ワクチンの流通次第だろう。

 とにかく知っていただきたいことは、集団接種は法的に認められている接種方法だということである。

 以前には学校での集団接種が行われていたこともあるくらいだ。企業の担当者の方は、集団接種をご一考いただきたいと思う。