(筆坂 秀世:元参議院議員、政治評論家)
やはりラグビーワールドカップは面白い
ラグビーのワールドカップが始まった。日本は初戦でロシアを圧倒して、勝利を収めた。
日本の選手たちは、テレビで見ていても分かるほど、緊張でガチガチになっていた。そのため最初は凡ミスを繰り返し、ロシアに先制トライを許すことになった。どれくらい緊張していたか、翌日の記者会見でSO(スタンドオフ)の田村優選手が「緊張で死ぬかと思った」と語っていたことからもよく分かる。
必死のタックル、必死の突破走、どれをとっても見る人を感動させる力を持っているのがラグビーだ。しかもワールドカップクラスになると、自国チーム以外の戦いも面白い。2日目のオーストラリア対フィジー、フランス対アルゼンチン、ニュージーランド対南アフリカ、どれも激戦だった。中でもニュージーランドのオールブラックスはワールドカップ2連覇中であり、南アフリカも過去2回優勝している。いきなり優勝候補チーム同士の対戦だった。結果は、オールブラックスが勝ったが、もちろん簡単な勝利ではなかった。
このワールドカップは9月20日に始まったが、決勝は11月2日の予定である。ほぼ1カ月半、激烈な戦いが繰り広げられ、それを眼前で楽しむことができるのだから、ありがたいことである。
ラグビーはこれまでしょっちゅうルールの改定が行われてきたそうである。その考え方の基本にあるのが「より分りやすく、より面白くする」ためだそうだ。
筆者には何を言っているのか詳しくわからないのだが、ラグビーの審判は試合中、喋りっぱなしである。要は、スムーズな試合展開をさせるためである。
以前はスクラムを組むたびに崩れてしまい、せっかくのゲームがグダグダになることも少なくなかった。だが今はそういうことはほとんどない。審判が声を掛け、押すタイミングをコントロールしているからだ。日本のラグビーでもそうだが、審判が最も試合をコントロールしているようにさえ思える。これもラグビーの特徴であり、面白さである。