HUGEでは、客単価が1万5000円を超える店は銀座のダズル1軒だけ。僕は本当は、そっちの方が得意なんですよ(笑)。

 そういう高級店の総支配人をしていましたから。接待で予算が青天井みたいにバンバン使われる店とか、すごいですよね。

 でも、そういう景気は絶対に続かない。それに寄りかかっていると経営のリスクになる。

 だから、僕たちはデフレに強い企業でいたい。ポケットマネーで4500円払って、おいしかった、楽しかった、やっぱりHUGEが一番だよね、って言ってもらえる会社になりたい。

 それが本物だと思うんです。

心の中は店長

 最終的に、僕の心の中は店長なんですね。だからPL経営なんです。

 もちろん、減価償却やキャッシュフロー経営などもいろいろ考える「社長の新川」もいる。でも、常に顧客目線を持つには、やっぱり店長の目線が一番なんです。

 店長は毎日お客さんの顔を見る。昔から僕は、お客さんが帰る時に「ありがとうございました」と声をかけ、目を合わせてもらえないことがあると、何が悪かったのかと考えて、夜も眠れないほど気が小さい人間なんです。

 でも、その感覚がプラスに働くな、とは思っていた。

 だから今も、例えば社内で声をかけて目を合わさない社員がいたら、「どうしたの」と聞ける社長でいたいと思っています。

つづく=5日間連続、4回目は明日