『下町ロケット』で吉川晃司が白髪ブームを起こして以来、街では白髪を染めない男性が激増。女性でも昨年、近藤サトがグレイヘアを披露し、話題になった。
美魔女ブームが去り、化粧品のCMからは嘘のように「アンチエイジング」の言葉が消えた。実際に「若く見えること=美しい」という考えが改まったかどうかはわからない。それでも少しずつだが、日本にも変化が訪れつつある。
むくんだ髭面の香取慎吾
老いることは悪なのか。日本では特にその傾向が強いように思える。「奇跡のアラサー(アラフィフ、アラフォーでも可)」とされる人物が続々、登場し、「実年齢に見えない」と崇められる。よく引き合いに出されるのはフランスだ。チーズやワインといった時間が経つことで味に深みの出る熟成文化を愛する彼らは、年を重ねた成熟した女性の方が好ましいという。日本にもフランスにもいろんな趣味の人がいるので、一概には言えないが、もし日本だったら、マクロン大統領と夫人はあんなに受け入れられただろうか。世界では大ロマンスとして語られている二人のエピソードも日本だったら「マニアック」扱いされて、選挙に影響が出てしまうのではと余計なお世話ながら気になってしまう。
そんな偏った価値観を吹き飛ばす香取慎吾の衝撃的な姿を『凪待ち』で見た。