昆虫よりもウニのほうがヒトに近い生物である理由

生物進化を食べる(第2話)棘皮動物篇

2019.05.31(Fri)大平 万里

ヒトもウニも「新口動物」というくくりに入る

動物における5つの大きな分類群と動物の例。ウニはヒトと同じ「新口動物」に分類される。

 現在、地球上にいる動物は33あまりのグループに大きく分けられている。そして、それらをざっくりと5つにまとめると、図のようになる。なんとヒトとウニは「新口動物」という同じまとまりに入っているのだ。一方、なじみ深い昆虫とイカはそれぞれ脱皮動物と冠輪動物に属しており、ヒトとは遠い場所にいる。

 ウニをもう少し詳しく紹介すると、新口動物のなかでも「棘皮(きょくひ)動物」という分類群に属する。ヒトデやナマコもここに入る。先にウニは放射相称と述べたが、ヒトデを思い出してもらえれば分かるように、五角形、すなわち五放射相称であることが棘皮動物に共通する特徴だ。ウニも棘を取り去ってしまえば、その殻が五つのパーツに分かれているがことがよく分かる。

子から大人にかけて体形は一変

 こうしてみると、やはりヒトとウニに共通点があるようには思えない。しかし、実はウニの発生の様式は昆虫などよりもはるかにヒトに近いのである。発生の過程は、その動物のボディプランを考えるうえで非常に重要なヒントを与えてくれる。

ウニの発生過程。「原口(げんこう)」とよばれるくぼみが生じる点がヒトと共通している。
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 動物の発生初期には「原口(げんこう)」とよばれるくぼみができる。このくぼみがそのまま口になってゆくのが、昆虫などの脱皮動物とイカなどの冠輪動物のグループだ。一方、くぼみとは別に新たに口を作るのが新口動物の共通的な特徴である。ウニの発生初期の姿を見ると原口の反対側に口ができている。この発生様式は原則、ヒトと同じである。

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