1次面接で見るのは、社員が「一緒に働きたいと思うかどうか」の1点のみだ。

「志向性やカルチャーが合っている人同士で働いた方が、信頼関係は築きやすいのです。人間だから、どうしても『この人は好き』『この人は無理』というのはあると思うので、なるべく合いそうな人たちを採用しています」(山碕氏)

 では、どのようにして、自社のカルチャーにフィットするかどうかを判断しているのだろうか。山碕氏はその基準を「感覚」と述べる。

「執務エリアにいて違和感がないか、一緒に働いて楽しそうかで判断しています。面接担当者にも『主観で判断していい』と伝えています」(山碕氏)

 採用面接といえば、一般的には基準の客観性や明瞭性が求められる。だが山碕氏は、カルチャーへのフィットを見る上では効果的ではないと語る。

「たとえば、恋愛対象を判断するとき、この4つの評価軸について5段階評価でこうだからこの人と付き合う、などということはしませんよね。最後はフィーリングで選ぶと思います」(山碕氏)

 入社して1カ月がたつと、誰でも面接官として志望者と接する可能性がある。社員側にもプレッシャーがかかりそうだが、その辺りはどうクリアしているのだろうか。

「自分たちが面接をしてもらったときのような雰囲気で、と話をしているので、イメージもしやすいと思います」(市丸氏)

 1次面接の30分間、志望者と面接官がマンツーマンで過ごすことになるが、やり取りされる会話は非常にフランクなものだという。

「ほぼ雑談の延長です。英語に関わる仕事ですので、海外留学のことなど共通の話題を探しながら、人となりを見ています」(市丸氏)